2017.08.04(金)
神社コラム
神社コラム・086◆塩でお清め、日本のこころ
大相撲で、取り組みの前に力士が塩をまくのを
ご覧になったことがあると思います。
神社の神主も同じように、地鎮祭などの神事で塩をまきます。
塩には悪いものやけがれたものを祓い清める力があるとされ、
神社や家の神棚では神さまへのお供えとしても用いられています。
お清めに塩を用いる理由のひとつは、
かつては塩が貴重なものであり、神聖視されてきたこと。
特に日本では、湿度が高く、熱帯ほど気温が高くないので、
海水を自然に天日で乾燥させて塩を得るのは難しいことでした。
そのために古代の日本人はさまざまに工夫を重ねて、
塩作りの方法を確立させていきました。
もうひとつの理由が、身体をお清めするのに海に入っていたことです。
海の水にはけがれを清める力があるとされ、
かつては身内に厄や凶事があると海に入って身体を清めていました。
現在でもお葬式のあとに塩で体を清めたり、
嫌な客があると玄関に塩をまいたりする風習があります。
塩は海水の代わりというわけですね。