神社コラム・043◆伝統のスタイル・巫女装束
巫女さんの格好というと、どのようなものが思い浮かびますか?
黒い髪、白い着物、赤い袴(はかま)…などが
一般的なイメージではないでしょうか。
今回は巫女の装束についてのおはなしです。
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巫女が身に付けるものを、まとめて
「巫女装束(みこしょうぞく)」と呼びます。
実は巫女装束についてはこれと言った決まりはなく、
神社ごとにそれぞれのルールで装束を定めています。
ですが最も一般的なのは、こうした白衣(はくい)と
緋袴(ひばかま)をまとった姿でしょう。
白衣は小袖(こそで)とも呼ばれ、
現在の着物の原型となったものです。
平安時代の貴族は袖の大きな大袖(おおそで)と呼ばれる着物をまとっていたのに対し、
庶民が着ていた袖の小さな着物が小袖と呼ばれていました。
巫女の袴は行灯袴(あんどんばかま)と呼ばれる
スカート状のものが一般的です。
巫女といえば緋色(ひいろ・赤のような色)の
袴というイメージが強いですが、
神社によっては別の色を用いているところもあります。
また、巫女を引退して事務員として神社に残る場合は緑の袴を、
神葬祭(しんそうさい・神社でのお葬式)などに関わる場合は
鈍色(にびいろ・ねずみ色に近い色)の袴をはく場合もあります。
結婚式やお祭りの際は、こうした装束の上に
千早(ちはや)と呼ばれる、華やかな模様の入った上着を重ねます。
白衣と違って前方が開いており、白衣の上からゆったりと羽織り、
前方を飾り紐で結びます。
一般にやや透き通る程度の薄手のものが多いですが、
神社によっては重ねを用いるところもあります。
また千早をまとう際は、天冠(てんかん)と呼ばれる
金の額あてを身に付けます。
天冠とは冠(かんむり)が変形したもので、
もとは高貴な人が身分を示すために用いるものでした。
桃の節句にかざるひな人形のおひなさまが付けているのも、
この天冠です。
なお、これら巫女装束を扱う際によく言われるのが、
「一、投げるな」「二、置くな」「三、またぐな」の三原則です。
脱いだら脱ぎっぱなしせずキチンとたたんで
丁寧に扱え、ということですね。
巫女さんの心配りと神様を重んじる心は、
こういった装束の扱いからも育まれるのではないでしょうか。
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