2018.09.12(水)
巫女草子
巫女草子 其の弐拾参「出雲の夕暮れ」
巫女草子(みこぞうし)へようこそのお参りです。日没直後の時間帯をたそがれ時、夕焼けの赤さが消えた時間帯を禍時、さらに闇が深まり深い藍色の空が広がった時間帯を大禍時や逢魔時と言い、昼と夜の境の時間はこの世と異界がまじわる時であるといわれますが、そんな夕暮れ時の境内は幻想的な雰囲気です。出雲大社福井分院にはこの時期とんぼがたくさん飛んでいるのですが、まだ日が沈む前、とんぼが翅に夕日をきらきらと光らせながら境内を飛び回っていました。 たそがれ時、夕焼けの暁色が映り注連縄は黄金色になります。神殿の灯篭の灯りがつくと、いっそう厳かになり、夜は神様の時間、目に見えないものの時間であることを感じさせられるようでした。